本研究会は、文化経済学会<日本>のオンライン部会テーマ別グループとして立ち上げられました。
2023年より活動を開始しています。
研究会の目的
伝統工芸は、その技が無形文化財であるため文化として捉えることもできるし、産地を形成してきた産業でもある。そのため、伝統産業は文化と経済の両面から研究できる対象である。日本は先進国の中で最も多様な伝統工芸産業が残る国であるため、文化経済学の中で先端的な研究ができる可能性を秘めている。
しかし、1980 年代から生産額、従業員数ともに伝統工芸は衰退傾向にある。多くの伝統工芸の存続が危ぶまれる一方で、新たな展開を見せる伝統工芸があり、企業家、海外展開、集積等の視点から研究が進められている。他方、作家あるいはアーティストとして活動をし、生き残りを模索している工芸の人たちもいる。
本研究会の関心は、無形文化遺産である伝統工芸の技を継承するためにも、作家やアート活動ではなく、「産業として維持していくことが不可欠」であるという点にある。その理由は、原材料の調達から製品の流通までの全てのプロセスが不可分に結びついているためである。例えば、上絵を描きたい作家ばかりが多くても、その素材となる土や生地を作る職人がいなくては、伝統工芸は維持できない。
そこで、「産業としての伝統工芸」に焦点を当てた研究会を立ち上げ、全国の多様な伝統工芸の研究を包括的に議論する場を設ける。
研究会の活動内容
・産業としての伝統工芸に関する研究発表(オンラインまたは対面)
・産業としての伝統工芸に関する講演会(オンラインまたは対面)
※zoom アカウントは研究会メンバー個人のものを使用。
・伝統工芸産地の視察(対面)
研究会の開催頻度
開催頻度:2 ヶ月に一度程度のオンライン研究会、年に2回程度の伝統工芸産地の視察
(具体的には研究会メンバーと相談の上、決定する)